弥栄(いやさか)=ますます大きく栄える
「この会社で仕事をしてみたい」と思う企業と出会ったとき、気になるのが「どういう会社か?」ということでしょう。
どのような経緯で創業され、
どんな理念やカルチャーがあり、
どのような働き方ができるか
などなど。
そこで、株式会社ベスト・プラクティス(BP社)のリアルな姿について、代表の山本にSIサポート事業部 教育部の飯塚がインタビューしました。
SIサポート事業部 教育部 飯塚
●社長は会社勤め出来ない人がなるものです(笑)
飯塚:まず株式会社ベスト・プラクティス(以下BP社)の創業までのストーリーを聞かせてください。
山本:私がこの会社を創業して16年くらい経ちますが、その前は某大手中古車販売会社に勤務し、システム関係の仕事をしていました。当時、システム関係のベンダーに外注すると時間がかかるので、今で言うSES、技術者に常駐してもらい、その場でシステムを改修してもらう体制を運用していて、最終的には社員私一人に対して常駐の人数が40人くらいという、だいぶ偏ったチームで 、システムの改修や保守作業、サーバーの管理などに対応していました。
そんなとき、ある開発チームのメンバーの一人から、保守の要員として自分の会社の人を入れてくれないかという相談がありました。その方は少し前に体調を崩して手術されていて、術後、半年くらいは特に問題なく生活できているというものの、やはり面接の時に手術のことを話すと、どこにも採用してもらえず 、直接私に相談したということでした 。当時の私はまだこういった判断の経験が無かったので、そのときの上長に相談したところ
「山ちゃんはどうしたいの?」
「出来れば受け入れたいと思ってます。」
「そうしたいと思ってるならそれでいいんじゃない。」
とあっさり言われ、結果現場に入ってもらいました。ちなみにこの時のどうしたいの?と聞くようにする姿勢は社長になった今大事にするようにしています。ですがその後彼は2年くらい在籍し、一緒に働いてもらいましたが、最終的にはまた体調を崩し亡くなりました。今でもこの時、入場してもらった判断が正しかったのか分かりません。
そのこと以来、私は自分がどうするべきか、そのまま上場企業に勤めて安定を取るべきか、あるいは起業して挑戦すべきかと悩みました。そして、やはり自分のやるべきこと、やりたいことをやろうと、ベスト・プラクティスを創業しました。
飯塚:以前「私は雇われることができないから社長やっている」と聞いたと思います。以前の会社にお勤めのときから「社員に向いていない」と思うようなことがあったのですか。
山本:はい、日常的に思ってました(笑)。細かいところはいろいろありましたが、特にここは自分の領分と思っているところを、自分の関係ないところで「会社としてこう決まったから」と強いられることはとてもストレスでした。
今、この立場になれば、あのときの状況は理解できますが、ではそれで仕事を続けていけるかと問われたら、やはり早晩、退職して自分で起業したと思います。これは私に限った話ではなく「創業社長あるある」ではないかと。よく社長が偉いように言われますが、実際はそうではなくて、社長しかできないから社長をやっているような感じですね(笑)。
●ベスト・プラクティス=「最適解」を提供できる会社
飯塚:起業時、「ベスト・プラクティス」という社名も含めて、どのような思いで会社をつくろうと思ったか教えてください。
山本:「ベスト・プラクティス」とはシステム用語で「最適解」と訳しますが、「最適解」とは、状況や構成する人、そのスキルなど諸々を鑑みたうえで、そこにおけるいちばん良い答えが「最適解」に近いと思っています。
これは構築するシステムも同じで、一人で使うシステムと百人で使うシステム、あるいは数万人で使うシステムではそれぞれ何が最適解かは全く変わります。やはりそこまで踏み込んで、そのビジネスに合わせた形でシステムを提供できる会社であるべきだと思い、「ベスト・プラクティス」という名前をつけました。
「株式会社何かちょっと良くなります」という会社名より、
「株式会社ベスト・プラクティス」というほうが仕事を任せようって思うでしょ?(笑)
飯塚:企業理念の「ITビジネスを通じ弥栄である場を創造していくことによって社会への貢献を果たす」は、会社を立ち上げたときに決めたのですか。あるいは誰かとコミュニケーションする中でできたものなのでしょうか。またどういった思いが込められているのかも聞かせてください。
山本:創業当初は「企業理念なんてあってもおなかは膨れない」と思っていたので、別に考えていませんでした(笑)。しかし人数が増えてくると、みんな考えていることが違うなと感じる小さな出来事がしばしば起こり始めたので、軸となる「理念」を考えるべきだと思うようになりました。
そこで、「理念」とは何だろうと突き詰めていくと、この会社の生存戦略だと行きつきました。ではうちの会社の生存戦略とはなんだろう?と言語化してみたところ
「すべてのメンバーが100%自分の能力を出し切れる「場」。単にお金を稼ぐだけの場ではなく、自分たちの居場所として認識できる「場」とすることで出来るだけ退職を出さないようにしていくことで会社の力を大きくし会社が生存していく」
となり、さらに煮詰めたら「弥栄」という言葉になりました。
飯塚:弥栄という言葉に出合ったのは、何か衝撃的なことだったのですか。
山本:もともと神道の言葉なので、別段特別ではないです。さっき話したように、言葉ありきで考えたわけではなく、ある程度、人数が増えたときに理念、行動の規範が必要と考えて出てきた言葉です。
●お客様、会社に価値を提供できることが大切
飯塚:どんなメンバーと、どんな会社で、どんな価値を提供して社会へ貢献したいと思いますか。
例えば山本さんは誰にも「代表」「社長」という肩書で呼ばせないですよね。そういう風通しの良い環境をつくろうと思うのは、おそらくいろいろな方と関わってきたからだと思っているのですが、なにか大きな人との出会いがあって、その境地に行きついたのでしょうか?。
山本:いや、特に何かあったというわけではなく、多分私が人を役職で呼ぶのが好きじゃないからかと(笑)。
私の考えでは、社長とメンバーでは役割が違う。役割には上下があるからその点で上下の関係は生まれるけど、だからといって人として偉いわけじゃないから、人としての上下はないと思っていて、だから他社さんも含めて社長だから偉いとも思わないし(笑)。よく「社長下駄を履いている」という言い方をするけれど、社長下駄を履いているから高く見えるだけで、脱いだら他の人と同じだと思う。ただ人ってどうしても普段接されていることを当たり前だと思うものだと思っているので日常的に役職で「社長」とか「部長」って呼ばれ続けていたら、自分が偉くなったと勘違いしちゃう。だから社内では呼ばせないようにしてます。私を「代表」と呼ぶのは行きつけの焼き鳥屋さんくらいです(笑)。
飯塚:では、どんな価値を提供していくか、お客様への価値、会社の価値についてはどうお考えですか。
山本:お客様に対しては、端的に言えば「儲かるようにする」になるかと思います。その仕組みとしてうちはシステムという手段を選んでいるので、それを使うことで効率化しコストが下がったり、見込客が増えて売上が上がるようなシステムを構築していくのが、提供する価値の1つじゃないかと思います。
飯塚:では、会社の価値は?会社の価値は、社長として会社はこうありたいという価値です。
山本:会社の価値というとそれは他者が決めるものなのであんまりピンと来ないですが、社長としてこうありたいであればそれは「弥栄」という言葉に収斂されると思います。先ほども言ったように、私は会社を中心とした「弥栄の場」でありたいと考えていて、その「場」には会社自体や従業員はもちろん従業員の家族やお客様、パートナー、地域の方々まで、手が届くと思っているところまでの範囲内にいる方々にも「弥栄」というものを感じさせるような何かを提供していければと考えています。
飯塚:会社の価値といえば、たとえば福利厚生。コロナ禍の影響でリモートが本格的に社会に広がる2ヶ月ほど前から、全員がリモートを始めたり、非常食を会社に集めたり。あとは最近では子ども手当や、Salesforceの資格手当に金額を提示したというのも「弥栄」につながっていると思います 。手当や福利厚生に関しては、常日頃ご自身でアンテナを張っているのか 、あるいはメンバーからの希望をもとに考えられたのか、どちらが大きいのでしょう。
山本:手当については、メンバーの声から採用したのものはないですね。概ね自分で見たり聞いたり。ニュースソースといったら、ネットニュースかな(笑)。なんだかすべてを弥栄につなげてもらっているのに恐縮だけれど(笑)そんな大層な話じゃなくて、人を集めるためにどういう差別化をしていけばいいかということを試していった結果ですね。世の中を良くするぞ!ではなくて、もっと単純。
例えば資格手当は、Salesforceさんのパートナー戦略が変わったからですし、奨学金手当はニュースを見たから。
奨学金手当については、実際に導入する前は、本当に奨学金の返済で生活に困っている人がいるのかと思ってて、そういうのってマスコミのプロパガンダ的なものかと思ったけれど、たまたま実際にそういう人に会って、しかも思った以上にたくさんいた上に社内にもいた。たとえば、もし自分が大学を卒業して社会に出たときにマイナス何百万円でスタートするとしたら、物なんか買わない、というか買えない。車離れ、贅沢離れなんて言うけど、そうではなくて単純にマイナススタートの人が増えたから物が売れないのだと思う。それで景気が良くなるわけがない。景気が悪くなったらシステムの仕事が減る。そうするとうちも困る。それで、少なくともメンバーにはマイナススタートではなく、稼いだり、貯金したりできるようにしたい。そうしたらその周りは少しは景気が良くなると思うし景気が良いところにいろいろなものが集まってくると思うので、それじゃあ奨学金手当を支給してみましょうと。
子ども手当も同じ。子どもが生まれなかったら私の年金は、誰が払ってくれるの(笑)?先ほどの奨学金の時もそうですが今の奨学金って学びたいことへの罰ゲームで、それと同じように今は子どもを育てることも残念ながら罰ゲームになってしまっていて。お金はかかる、物理的にとても大変、助けてくれる人も少ない上に子どもの声がうるさいとか文句を言う人までいる。そう考えたときに、この手の届く範囲の「場」の中で少しだけどお金は何とか出来るかなと思って始めてみたのが子ども手当です。
飯塚:それが社会の貢献にもつながっていくのかもしれません。
山本:社会貢献の「社会」とは何だろうと考えると、私にとっての「社会」はそんなに広くなくて、さっき話した「場」の範囲くらい。知らない人はわからないから、申し訳ないけど私にとっては「社会」に入らない。そういう意味ではメンバーとその家族、そのメンバーがよく行くお店とか、つながりのある範囲が「社会」だと思っているので、劇的に何かが変えられるとも思っていないし、変えたいとも思っていない。いわゆる社会貢献というお題目を掲げても良いけれど、そうすると手が届かないので、自分の届く範囲でそれぞれの家庭が平和だったら世の中が平和という発想で、それを自分の会社や交流の範囲で考えてやっているという感じでしょうか。
日本や世界を良くしようという視座も必要だと先日サンフランシスコに行って思ったけれど、ではできることは何だろうと考えた時に、結局は目の前にいるうちの会社のメンバー、お客様、パートナーさんがそれなりに儲けて、普通にストレスもなく生きていける「場」を創っていくことくらいで、それを続けたらある程度は平和になるんじゃないかと思っています。
●メンバーそれぞれが個性を活かせる仕事を
飯塚:今後、会社としてチャレンジしていきたい領域はありますか。いずれこういうことをやっていきたいということがあれば。
山本:まずはグローバル化ですね。以前、サンフランシスコに行って実感し たけれどやはり日本は小さい。いい悪いの話じゃなくて単純に人が少ない上に言語の壁があるから小さいと思うので、より広いグローバルの市場でチャレンジしていきたいとは考えてます。
飯塚:最後に、どんな人にBP社に来てもらいたいですか。
山本:これも「場」の話に通じると思いますが、うちはいろんな人がいていい多様性のある会社にしたいと考えているので、こういう人にきてもらいたいというのはあまりないです。ただ強いてあげるとすれば、仕事等で自分のことや会社のこと、他人や他社のことを考えないといけない時に自分49対他者51のように、最後の一歩を他者に置ける人が良いですね。
飯塚:入社する人にとっては、BP社で働くとどんな活躍ができて、やりたいことができますか。
山本:うちの会社はチャレンジしたいと言いやすいし、チャレンジできる場もあると思います。
業務としては、Salesforceを軸にしてシステムを構築して提供するのが中心になるので、開発のほうに力を入れるのか、お客様とやりとりをしながら仕様を詰めたりするコンサル的なところに力を注ぐのかは個々人の方向性、資質よって変わってくると思います。これからの話になりますが、グローバル化の方向で、いろいろなツールのセールスを営業として動いていくというポジションも考えられると思います。またお客様が導入した後の保守・サポートもやっているので、今後さらに万全の体制をつくって対応していくことも考えていますのでそういったお客様の運用に寄り添うことで力を発揮するというのも選択肢として十分に考えられるでしょう。
飯塚:ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。ベスト・プラクティスの実像が見えてきたでしょうか。ベスト・プラクティスに興味を持たれた方は、カジュアル面談なども実施していますので、ぜひお気軽にご応募ください!